サーフィンの楽しみ方

2022.08.30

Go surfing -サーフィンをしよう!

現代社会において、ストレスと向き合う機会が多い中、
青空の下で自然と向き合うサーフィンがもたらすリラクゼーションは、
比類するもの無き素晴らしいマリン・アクティビティとして認知され、
多くの人々の興味を集めています。
とは言え、自然のもたらすエネルギーとの共存にはリスクもある為、
正しい準備と理解をもって楽しむ事が必要です。

波を切り裂き、加速するその様は陸上では味わう事の出来ない爽快感があり、一度体験したら忘れる事の出来ないエクスペリエンスとなる事でしょう。但し、初心者が最初からその体験を満喫できる程やさしいスポーツではない事も事実です。経験者と同行する、ポイント近くのサーフィンスクールにて指導を受けるなど、自分の経験や技量に合ったエントリーが必要です。

Step 1 エントリー当日の天候に留意する

自然のチカラ、波のパワーや風の向きなどサーフィンには常に気象状況への注意が必要です。台風が接近しているタイミングや強風が吹き付けるタイミングなど、潮の流れや波の高さによっては思わぬ事故に繋がるケースも多々あります。技量に合ったエントリーを。決して無理なチャレンジは行わない事が懸命です。

Step 2 経験者や上級者との同行を

昨今のサーフィンブームにより、多くのポイントに沢山のサーファーが集まるケースが増えています。何も判らない初心者がこの様なポイントに入ってしまうと、思わぬ怪我やトラブルの元となってしまいます。サーフィン経験者の同行・レクチャーやポイントに根付いたサーフィンスクールなどを通じて、「海のルール」を理解する事も大切です。

Step 3 パドリングで沖に出よう

ポイントにより異なりますが、サーフィンのスタートは沖での「波待ち」から始まります。 ブレイクポイントにエントリーする為には、パドリングで沖に出る事が必要です。その為には自身のボードのベストポジションを理解し、ドルフィンスルーやローリングスルーを会得しスムーズにアウトに出れる様になる為の訓練も必要です。最初の頃は無理せず、スープ(既に白く割れている波)でのプラクティスも効果的です。

Step 4 テイクオフ

沖からうねりとなってブレイクする波に対し、タイミングを合わせてパドリングをし、波に乗るためのテイクオフは、ボードに立つ爽快感を得る為の重要なアクションとなります。但し、サーフィンのルールは「1ウェーブ1エントリー」。レギュラー(右側に割れる波)とグーフィー(左側に割れる波)それぞれ基本1名づつしか乗れません。プライオリティを守り、側から乗って来る人の妨げにならない様注意し、感覚を掴めるよう何度も練習しましょう。

Step 5 アップスダウン

波に乗る事が出来たら、とても重要なファクターとして、真っ直ぐに滑るだけでなく、波のブレイクに合わせたトリミングや加速が重要となって来ます。ここまで来ると、波との一体感を感じ、既にサーフィンの虜になっている事でしょう。ブレイクする波のフェイス(側面になる部分)で加速し、上下の幅を使ったサーフィンが出来る様、イメージトレーニングや繰り返しの練習も必要です。

Step 6 コミュニケーション・リスペクト

自分のサーフィンに余裕が出て来る様になると、自ずと周りも見えて来ます。 同じポイントに入る仲間やローカリズムを感じて、周囲への配慮とリスペクトがサーフィンにはとても必要な考え方となります。来る波々を全てパドルして顰蹙を買ったりする様な行為はせず、譲り合いや感謝の気持ちを持ってスマートなサーファーを心掛けましょう。

Warning signs -危険な状況及び波について-

ビーチの安全標識

離岸流について

サーフィンをする際に、防波堤や突堤(テトラなども含む)等がある環境において、突起物に沿って急激な離岸流が生じる場合がありますが、この離岸流に乗ってしまうと、岸から沖に向かって流れるカレントの影響であっと言う間に流されてしまい、経験の浅いサーファーや海水浴客などはパニックに陥ってしまいます。もし離岸流に乗ってしまった場合、焦って岸に向かって戻ろうとパドルをしても、ビギナーレベルでは全く太刀打ち出来ません。この様な場合は、離岸流から左右に逃れる様横移動を試み、流れのピークから外れる動きをする事が必要です。

リーフポイントでのサーフィン

サーフポイントにおいて、海面下が砂地のビーチブレイクとは異なる、岩場やサンゴ礁となっているリーフポイントがありますが、特に潮の満ち引きが激しいエリアや時期においては、あっという間に満潮から干潮に向かって潮位が下がり、身動きが取れない程の状況に陥ってしまう事があります。リーフポイントの岩やサンゴの形状によっては、全身血だらけになってしまう様なケースも見受けられます。この様な事が生じるために、サーフィン当日のエリアの潮時表などを活用し、満潮・干潮の時間や動きを把握しておく事も必要です。

台風のうねりに注意する

サーファーなら誰でも、パワーのある大波にチャレンジし素晴らしいライディングをして満足に浸りたいところですが、ビックウェーブになればなる程、予期せぬ自然のチカラに圧倒されてしまうケースも多々あります。台風の接近に伴い、急激に波のサイズが上がって自分の技量を超えたブレイクに飲み込まれてしまうケースも少なくありません。特にパワーのある波では、波に巻かれて中々水中から出る事が出来ず、水を飲んで溺れてしまうケースも否めません。無理はせず、ケースによっては諦める事も勇気です。自然の脅威と向き合い、常に安全を意識しながらサーフィンをする事も必要です。

自分のレベルに合ったポイント選びを

波が良いからといって、混雑したポイントに入ってしまうと、上級者の邪魔になってしまったり、トラブルの要因にもなってしまうケースが見受けられます。特に夏の混雑したタイミングなど、ロングボード、ショートボード、初心者、上級者が入り乱れて無法地帯と化してしまう場合に、ポイントの空気も悪くなります。ロングボードであれば、ショートボードの多いポイントを避けるなど、初心者であれば、混雑しているピークを避けるなどして「空気を読む」事も大切です。ルールとマナーを守り楽しいサーフィンを心掛けてください。

ワイプアウトしても板を離さない

ロングボードの場合、板の長さや自重がかなりある事から、波に巻かれて板を飛ばしてしまうと周囲のサーファーにぶつけたりして、非常に危険な状況となってしまいます。特に混雑しているポイントなど、思わぬ大事故を引き起こしてしまうキッカケにもなりかねません。リーシュコードを装着する事は勿論ですが、波に巻かれた際に板を離さず、他人に迷惑が掛からない様心掛ける事も必要です。逆に、その様なケースで貰い事故に合わぬ様、周囲のサーファーの動きに注意する事も必要です。

ルールとマナーを守ったサーフィンを

道路に交通ルールがある事と同じ様に、海の上にもルールがあります。一つのブレイクに対して1人、ワンマンワンウェーブは鉄則です。初心者にありがちですが、周囲が見えずに、他人の前乗りをしてしまい思わぬトラブルに発展してしまう場合もあります。ピークから乗って来る人がいたらその波はスルーして、万が一前乗りをしてしまった場合には必ず謝るなど、マナーを守った楽しいサーフィンを心掛けて下さい。

ローカルポイントに配慮を

特に海外などでは、地元の人が非常に大切にしているビーチやサーフポイントなど、ローカリズムが現在も厳しいエリアも存在します。サーフィンはただのアクティビティではなく、ライフスタイルの一環であり、ハワイなどにおいても、長い歴史と共に様々な伝統を大切にするエリアもまだ存在します。国内のサーフポイントにおいても、駐車場の問題やピークに入れる人数制限など、土地土地のルールに従ってサーフィンをしているエリアも多々あります。その様な場所では必ず配慮とリスペクトの気持ちを持ってエントリーする事も大切です。

サーフィンというスポーツは、如何に自然と同調出来るかが上達への近道であると同時に、各国や地域のライフスタイル・生き方と密接な関係にある事から、時にセンシティブに感じる事もあるかもしれません。ただし、それらの空気を感じ、受け入れ、リスペクトと感謝の気持ちを持って臨む事で、いつしか自身もその輪の中に同調し、素晴らしい体験と仲間、マインドウェルネスを得る事が出来るアクティビティです。常にリスペクトの気持ちを持って、互いに譲り合い、相手を尊重するなど、心にゆとりを持ちエントリーする事も大事です。

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